MUSEUM as it is/千葉県

昨年訪れた建築の紹介です。千葉県の山の中にある小さな美術館「MUSEUM as it is」設計者は中村好文さんです。中村さんは住宅をメインで設計されている方で、私の目指す建築家の一人です。住宅はなかなか見学することができないので、見学できる建築としてずっと機会をうかがっていました。

1995年に開館したので約30年。土壁や竹・木・コールテン鋼など経年変化を楽しめる素材を使った建物はみごとに古く素敵な雰囲気となっていました。まさに名前にある「as it is あるがまま」の美しさを感じられます。当日はあいにくの天気でしたが、靄のかかった状況もまたこの建物にぴったりのように感じました。

建物に入ると吹き抜けの展示空間となっていて、天窓から柔らかい光が差し込んでいます。奥には階段を上って吹き抜けとつながった2階があり、そちらも展示空間となっています。とても気になったのが階段の手すりです。

階段の手すりを木でつくることは良くありますが、一般的に細くシャープでくねくね曲がっていく場合は金属もしくは木と金属の複合でつくることが多いです。ところがこの手摺は3センチくらいの棒が階段に合わせ滑らかに連続して曲がっています。断面は八角形になっていて、つなぎ目の細工や握りやすさに感動。展示作品はそっちのけでしばらく階段にくぎ付けでした。

上ることはできませんでしたが螺旋階段があったり、庭へ向けて低めの木製窓があったりと小さな美術館ですが、随所に見どころがありました。トイレの中も展示空間となっているのですが、パーティションの壁が鉄板と木でつくられていてシンプルで上手いなと感じました。

今回中村さんの建築をじっくり見学でき、とても貴重な体験でした。細部まで丁寧に考えられている空間は時が経つことでより、深みが増しとても良い雰囲気でした。美術館といえばどこか緊張感のある空間が多いように感じますが、こちらは規模が小さいこともあり住宅に近い考え方で設計されているようで、とても居心地がよく、落ち着いた美術館でした。最後にコーヒーをいただきながら、オーナーと少しお話をし、とても贅沢な時間を過ごしました。

MUSEUM as it is

福田建築設計室 一級建築士事務所

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